「生薬」とは植物の根などを中心に、天然のものから作られた薬です。
すべての漢方薬はこの「生薬」の組み合わせでできています。
「生薬」という言葉から難しいものを想像しがちですが、「生姜」「牡蛎」
「人参」といった日本人に馴染み深いものも多いです。
生薬の組み合わせによって作られる漢方薬は、精製された単一成分の
西洋薬とは違い、生薬のさまざまなな有効成分が互いに作用しあって
いるため、独特の効果を発揮します。
例えば、風邪の諸症状を改善することで有名な「葛根湯」は、「葛根」
「麻黄」「桂枝」「芍薬」「甘草」「大棗」「生姜」という7つの生薬から成り、「麻黄」で咳を鎮め、「生姜」で体を温め、「桂枝」で発汗を促すなど、
適材適所といったはたらきをします。
また、「生薬」の組み合わせにより、相乗的に効果を高めている漢方薬がある一方、体に負担をかけ過ぎないように「血圧を下げる生薬」「血圧をあげる生薬」といった反対の効果をもつ生薬を組み合わせている漢方薬も多く存在します。
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